公開日:2026年7月11日/更新日:2026年8月4日 執筆:池田哲郎(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関/池田計画合同会社 代表)
「補助金の申請書に『認定経営革新等支援機関』の欄がある」「金融機関から認定支援機関に相談するよう言われた」。山梨県内の経営者から、こうした場面でのご相談をよくいただきます。名前が長くて役所っぽく、いったい何をしてくれる相手なのかが分かりにくい制度です。
結論から言えば、認定経営革新等支援機関(略して認定支援機関)とは、税務・金融・企業財務に関する専門的知識と一定の実務経験があると国(経済産業大臣)が認定した、中小企業支援の専門家・機関のことです。税理士・公認会計士・中小企業診断士・弁護士・金融機関などが認定を受けており、補助金や制度融資、事業承継税制など「国の一定の制度」を使うときに、この認定支援機関の関与が条件になる場面があります(本記事は2026年8月時点の公的資料に基づきます。制度の要否・期限は最新の公募要領等でご確認ください)。
はじめにお断りしておくと、私は元銀行員として長く法人融資の審査に携わったあと、中小企業診断士として独立し、自らも認定経営革新等支援機関として補助金・融資・経営改善のご支援をしています。だからこそ正直にお伝えできることがあります。認定支援機関に頼んだからといって、補助金の採択や融資の実行が保証されるわけではありません。国の認定は「一定の専門性がある」という入口の確認であって、支援の質や熱量まで保証するものではないからです。この記事では、制度の中身と探し方に加えて、公的な調査データから見える「認定支援機関の実態」まで、審査を見てきた側の視点で解説します。
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは?
認定支援機関とは、中小企業・小規模事業者への支援に一定の専門性があると国が認定した、公的なお墨付きのある専門家・機関です。中小企業を巡る経営課題が多様化するなか、支援の担い手を増やすことを目的に、平成24年8月30日施行の「中小企業経営力強化支援法」(現・中小企業等経営強化法)に基づいて創設されました。
認定を受けているのは、税理士・税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、弁護士、金融機関(銀行・信用金庫・信用組合)、商工会・商工会議所などです。認定を行うのは国で、窓口は主たる事務所の所在地を管轄する経済産業局・財務(支)局が担当します(金融機関は金融庁関係)。山梨県の事業者・支援機関を管轄するのは関東経済産業局 経営支援課で、東京都・神奈川県から新潟県・長野県・静岡県までの11都県を一括して所管しています。
制度としておさえておきたいのは、次の3点です。
| 項目 | 内容 |
| 認定する主体 | 国(経済産業大臣)。窓口は経済産業局・財務(支)局など。山梨県は関東経済産業局 経営支援課 |
| 有効期間 | 5年(更新制。中小企業庁が有効期限日ごとの更新申請締切と更新認定日を公表している) |
| 主な担い手 | 税理士・公認会計士・中小企業診断士・弁護士・金融機関・商工会議所 など |
認定は年6回程度のサイクルで追加されており、2026年6月23日には新たに420機関が認定されました。母数はかなり大きく、中小企業庁が実施した令和7年度の調査では、2025年3月31日までに認定を受けた機関は37,326機関とされています(中小企業庁「令和7年度認定経営革新等支援機関に関する任意調査報告書」令和8年3月)。
つまり「認定支援機関」は特定の資格名ではなく、いろいろな士業や金融機関が国の審査を通って得ている肩書きだと考えてください。税理士だから全員が認定支援機関、というわけではありません。認定を受けているかどうかは国の検索システムで確認できます(後述します)。
認定支援機関は何をしてくれる?(できること)
認定支援機関の役割は、大きく「経営を見える化して計画をつくり、その実行に伴走する」ことです。中小企業庁は、認定支援機関からの支援の流れを「経営課題の把握 → 支援機関の選定 → 相談 → 事業計画の実現 → モニタリング・フォローアップ」の5段階で整理しています。相談の中身として挙げられているのは次の3つです。
- 経営状況の把握:財務分析、経営課題の抽出
- 事業計画の作成:計画策定に向けた支援・助言
- 事業計画の実行:事業の実施に必要な支援・助言
実務でいちばん多いのは、補助金の事業計画づくりと、金融機関に出す経営改善計画・資金繰りの立て直しです。私自身、面談ではまず「現状・課題・解決策・効果」という順番で事業の骨格を一緒に整理します。抽象的な目標(例:「売上を伸ばしたい」)を、根拠のある数字(誰に・いくらで・何件売るのか)に翻訳していく作業です。ここは自己流でやると、金融機関や審査員に「で、その数字の根拠は?」と突っ込まれて止まってしまう部分でもあります。
もうひとつ、5段階の最後に「モニタリング・フォローアップ」が置かれている点は見落とされがちです。計画は作って終わりではなく、その後の巡回や改善策の提案までが想定された役割になっています。依頼先を選ぶときに、ここを実際にやってくれるかどうかが効いてきます。
補助金・融資・事業承継で認定支援機関が必要になるのはどんな場面?
認定支援機関の関与は「すべての補助金で必須」ではありません。関与が求められるのは、事業承継税制・先端設備等導入計画・一部の制度融資・経営改善計画づくりなど、限られた制度です。中小企業庁は「国の補助事業等において必要とされる認定支援機関(経営革新等支援機関)の役割について」という資料(2025年3月26日更新)で、制度ごとに関与が必須(◎)か、他の機関でも可(○)かを整理しています。その原文から主なものを抜き出すと次のとおりです。
| 制度(根拠法等) | 関与 | 認定支援機関の主な記載事項 |
| 法人版事業承継税制(経営承継円滑化法) | ◎必須 | 都道府県に提出する特例承継計画に添付する「所見」(取組への評価・実現可能性と、それを高めるための指導助言) |
| 個人版事業承継税制(同上) | ◎必須 | 都道府県に提出する承継計画に添付する「所見」 |
| 個人事業者の遺留分に関する民法特例(同上) | ◎必須 | 認定支援機関の確認書(対象の事業用資産が要件を満たすことの確認) |
| 先端設備等導入計画(中小企業等経営強化法) | ◎必須 | 市区町村に提出する認定申請書に添付する「確認書」(労働生産性の向上が見込めるか) |
| 事業承継・引継ぎ補助金 | ◎必須 | 確認書(地域に貢献する中小企業者等であること、取組に独創性等が認められること) |
| 経営力強化保証制度(信用保証協会) | ◎必須 | 事業計画の策定支援と、実行にあたっての具体的な経営支援(保証料の減免) |
| 経営改善計画策定支援事業・早期経営改善計画策定支援事業(405事業) | ◎必須 | 認定支援機関と連名で中小企業活性化協議会へ申請書・計画・チェックリスト等を提出 |
| 中小企業経営力強化資金融資事業(日本政策金融公庫) | ○他機関も可 | 事業計画書における「実施した経営革新等支援業務の内容」「本計画の評価」 |
| 事業承継・集約・活性化支援資金/企業再建資金(同上) | ○他機関も可 | 事業承継計画・経営改善計画への支援内容と評価・所見 |
この資料には観光産業等生産性向上資金(日本政策金融公庫)も◎として掲載されていますが、同じ欄に「支援を受けずに事業計画書を策定した場合も融資制度の活用は可能」とも書かれています。観光関連の設備投資で貸付利率の軽減を狙う場合は、公庫の窓口で扱いを確認してから動くのが安全です。
ここで多くの方が誤解しているのが、「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「中小企業新事業進出補助金(事業再構築補助金の後継)」には、認定支援機関の関与は求められていないという点です。新事業進出補助金の事務局である中小企業基盤整備機構も、「必要に応じて、認定支援機関を含む外部支援者等からアドバイスをもらい」という書き方をしており、必須ではありません。ただしこれらの補助金でも、金融機関からお金を借りて補助事業を実施する場合は「金融機関による確認書」が別途必要です。認定支援機関の確認書とは別物なので、混同しないでください。
補助金や制度融資の全体像から確認したい方は山梨県の中小企業が使える補助金一覧を、事業承継まわりは事業承継・M&A補助金の解説もあわせてご覧ください。
認定支援機関はどうやって探す?(国の検索システムの使い方)
認定支援機関は、国が運営する「認定経営革新等支援機関 電子申請システム」の検索ページから、都道府県を指定して探せます。入口はこのURLです。
中小企業庁のページにも同じ検索システムへの導線があり、「認定支援機関(金融機関を除く)の活動内容や支援実績等を検索することができます」と案内されています。金融機関は掲載対象外なので、取引銀行や信用金庫が認定を受けているかどうかは、その金融機関に直接確認してください。ここは意外に知られていない落とし穴です。
探すときに私が事業者にお伝えしているのは、次の順番で確認するということです。
| 順番 | 確認すること | なぜ見るのか |
| 1 | そもそも認定を受けているか(検索システムに載っているか) | 名刺やサイトに「認定支援機関」とあっても、更新されていない可能性がある |
| 2 | 認定の有効期限日 | 認定は5年の更新制。確認書や所見が要る制度では、提出時点で有効であることが前提になる |
| 3 | 掲載されている活動内容・支援実績 | 同じ認定でも、得意分野が税務・補助金・事業承継・経営改善とばらける |
| 4 | 使いたい制度の取扱経験 | 事業承継税制の所見と補助金の事業計画では、求められる仕事がまったく違う |
相手を1社に絞り込む前に、この4つを自分の目で確かめておくと、初回の面談で聞くことがはっきりします。実際、「顧問の先生に頼めると思っていたら認定を受けていなかった」というご相談は珍しくありません。
認定を受けていれば、どこでも同じように支援してくれる?
ここは正直にお伝えします。認定を受けていても、支援業務をほとんど行っていない機関が一定の割合で存在します。中小企業庁が毎年公表している「認定経営革新等支援機関に関する任意調査報告書」の令和7年度版(令和8年3月公表)に、その数字が載っています。
この調査は、2025年3月31日までに認定を受けた37,326機関のうちメールアドレスを把握している30,300機関を対象に、令和7年9月3日から11月28日にかけて実施され、7,249機関が回答しています(回収率23.9%)。その回答機関に「経営革新等支援業務」の実施頻度をたずねた結果が次のとおりです。
| 実施頻度 | 全体(n=7,249) | うち税理士(n=3,346) | うち中小企業診断士(n=1,138) |
| 週に1回以上 | 23.7% | 8.6% | 47.4% |
| 月に1回程度 | 27.6% | 24.1% | 29.0% |
| 半年に1回程度 | 16.7% | 19.7% | 11.6% |
| 年に1回程度 | 10.6% | 15.9% | 4.0% |
| ほとんど実施していない | 12.7% | 18.6% | 4.7% |
| 実施していない | 8.6% | 13.0% | 3.4% |
「ほとんど実施していない」と「実施していない」を足すと、全体で21.3%。回答した機関のおよそ5機関に1機関は、支援業務がほぼ動いていない計算になります。認定支援機関の46.2%を占める税理士の属性で見ると、この合計は31.6%まで上がります。
継続的なフォローアップについても同じ調査に数字があり、実施しているのは全体で72.4%、税理士で63.6%、金融機関(銀行)と商工会では100%でした。
この数字の読み方には注意が必要です。回収率は23.9%で、回答したのは全体の一部にすぎません。そもそも活動している機関のほうが調査に答えやすいという偏りもあり得ます。そして私自身が中小企業診断士なので、診断士の数字が良く見えるこの表は、私にとって都合よく読めるものでもあります。だからこそ強調しておきたいのは、属性で相手を選ぶのではなく、目の前の相手が「いま実際に動いているか」を確かめてほしいということです。認定は5年間有効なので、認定を取った当時は熱心でも、いまは通常業務で手一杯という機関も当然に出てきます。
確かめ方は難しくありません。「直近1年で、私と同じような相談を何件くらい扱われましたか」「その後のフォローはどのくらいの頻度で入っていますか」。この2問を初回の面談で聞けば、たいていのことは分かります。
認定支援機関に頼めば、補助金は「通りやすく」なる?
正直に言えば、認定支援機関に頼んだからといって採択が保証されるわけではありません。採否を分けるのは、支援機関の肩書きではなく、計画そのものの中身です。私が面談で最初にお伝えするのも、この点です。
私は初回のご相談で、先に補助金のデメリットからお話しします。「入金までに時間がかかる」「いったん全額を立て替える必要がある」「消費税分は自己負担になる」。期待だけが先行しないよう、良い面と負担面を両方お伝えしたうえで、「事業そのものが現実的か」を先に確かめます。無理をして補助金を使うということではなくて、事業自体が現実的かどうかがまず大事で、そこが間違っていないと確認できたら補助金を乗せる。補助金ありきで事業を組み立てるのではなく、事業として成り立つと確認できてから、補助金を後づけで検討する。この順番を崩さないことが、結局は採択にも実行にも効いてきます。
そのうえで、審査を通す計画づくりには型があります。私はクライアントと一緒に、公募要領の審査項目を1つずつ画面で確認しながら、「この項目は加点◯点なので、ここを書き落とすと0点になって落ちる可能性が高い」という具合に、空欄を残さず全部埋めていきます。中身が良くても、事業者に合っていない経費構成(他社の申請書の使い回しのような経費)を並べると、それだけで説得力を失って落ちます。経費は必ずその事業者の事業に合わせて組み直す。これは、実際の不採択の分析から私が繰り返し学んだ教訓です。
ここで、元銀行員として一つ補足させてください。融資の審査と補助金の審査は、目的も基準も別物です。融資は「貸したお金が返ってくるか(返済可能性)」を見ます。補助金は「その事業に政策的な意義と実現性、そして加点要素があるか」を見ます。両者に共通して効くのは、「計画の数字に根拠があるか」を厳しく問う目だけです。そこだけは、審査する側をずっと見てきた立場から、どちらの計画にも同じ厳しさで向き合います。採択率をもう一段上げる具体策は補助金の採択率を上げるために申請前にやるべきことに、支援と代行の線引きは補助金申請の代行は誰に頼む?にまとめています。
相談する前に、自社で用意しておくものは?
認定支援機関に相談する前に、直近3期分の確定申告書(決算書)を手元に揃えてください。ここが欠けていると、支援機関を探す以前に申請そのものが前に進みません。
補助金の申請では、直近数期分の確定申告書・決算書の提出を求められるのが通例です。私は過去に、確定申告を数年分ためたまま「この機会に補助金を申請したい」とお越しになった事業者を担当したことがあります。意欲は十分にあるのですが、申告が終わっていない状態では書類が揃わず、事業計画の売上・利益も「想定」で書くしかありません。想定で書いた計画は、審査でも金融機関でも説得力を持ちません。このときは補助金の申請そのものより先に、申告を終わらせるスケジュールを一緒に引くところから始めました。
相談前に揃えておくと話が早いのは、次のものです。
- 直近3期分の確定申告書・決算書(個人事業なら青色申告決算書)
- 直近の試算表(決算から時間が経っている場合)
- 借入の一覧(金融機関名・残高・毎月の返済額・保証の有無)
- やりたいことのメモ(設備なら型番と見積、販路開拓なら誰に何を売るか)
- 従業員名簿と賃金台帳(賃上げ要件のある補助金を検討する場合)
特に借入の一覧は、補助金と融資のどちらを先に動かすかを判断する材料になります。手元資金が薄いまま補助金だけを追いかけると、全額立替の段階で詰まります。資金繰りから点検したい方は資金繰り表の作り方もご覧ください。
認定支援機関に頼むと費用はいくら?(公的に確認できること)
認定支援機関の報酬に、国が決めた一律の料金はありません。着手金(固定報酬)と成功報酬を組み合わせる形が一般的ですが、金額の水準は機関によって幅があります。ネット上には「補助金額の◯%が相場」といった数字が流通していますが、その多くは出典が示されていません。公的に確認できる範囲でお伝えします。
まず、国は高額な成功報酬に対して明確に注意を呼びかけています。事業再構築補助金の事務局は「提供するサービスの内容とかい離した高額な成功報酬等を請求する、経費の水増しを提案するなどの悪質な業者等にご注意ください」と公表し、トラブルの通報窓口も設けています。新事業進出補助金の事務局も同様に、金額・条件の不透明な契約や費用水増しの提案を不適切な行為として挙げています。実際の報酬水準については、事業再構築補助金事務局が第1回〜第11回公募の電子申請システムに登録された報酬額を集計した資料を公表していますので、目安を知りたい方はそちらをご覧ください(グラフ形式の資料です)。
契約時は「どこまでの業務が料金に含まれるのか」を書面で確認してください。申請書の作成までなのか、交付申請・実績報告まで伴走するのかで、必要な工数はまったく違います。私が見積もりをお出しするときは、コンサルタント・税理士・司法書士のように誰が何を担当するのかを先に示すようにしています。役割分担が見えると「丸投げで高く取られるのではないか」という不安が消えて、金額の話が具体的になるからです。逆に、業務範囲を曖昧にしたまま総額だけを提示してくる相手には注意が必要です。
一方で、認定支援機関に支払う費用の一部が公的に補助される制度もあります。中小企業活性化協議会の経営改善計画策定支援事業(405事業)と早期経営改善計画策定支援事業では、専門家に支払う費用の2/3が補助されます。405事業の通常枠の場合、区分別の上限は次のとおりです。
| 費用の区分 | 補助率 | 補助上限額 |
| デューデリジェンス・計画策定支援費用 | 2/3 | 200万円 |
| 伴走支援費用(モニタリング) | 2/3 | 100万円 |
| 金融機関交渉費用 | 2/3 | 10万円 |
金融機関への返済見直し(リスケ)を含む本格的な計画づくりを考えている方は、この制度の活用も選択肢になります(手引き・FAQは2026年3月26日に改定されています。最新の要件は中小企業庁と各都道府県の中小企業活性化協議会でご確認ください)。詳しくは経営改善計画書の書き方とリスケとはで解説しています。
山梨で認定支援機関を選ぶときは、何を見ればいい?
県内で選ぶときは、公的な無料窓口と民間の専門家を対立させず、役割で使い分けるのが現実的です。先ほどの中小企業庁の調査では、回答した7,249機関のうち山梨県に所在するのは38機関(0.5%)でした。東京都の1,368機関、大阪府の736機関と比べると、県内で選べる先はそう多くありません。だからこそ、最初の入口をどこにするかで動きやすさが変わります。
制度の一般的な説明を聞いたり、申請の入口を相談したりする段階では、商工会議所・商工会が第一候補になります。会員であれば無料で相談でき、地域の事情もよくご存じです。私がお伝えしているのは、公的な窓口には構造的な守備範囲があるということです。課題がはっきり形になってからの対応が中心で、支援の内容も標準化された範囲に収まりやすく、採択後の実行や毎月のモニタリングまで深く伴走するのは体制的に難しい。逆に言えば、民間の専門家に頼む意味があるのは、その裏返しの部分(早い段階からの相談、自社に合わせた個別の設計、実行とモニタリングまでの一貫した伴走)です。
そのうえで、審査する側を見てきた立場から選ぶポイントを3つ挙げます。
- 使いたい制度の実績があるか。得意分野は税務・補助金・事業承継・経営改善とさまざまです。自社が使いたい制度(事業承継税制、先端設備等導入計画、経営改善計画、補助金)を実際に手がけているかを確認しましょう。
- 申請だけで終わらず、実行まで伴走してくれるか。補助金も融資も、採択・実行後の実績報告や返済のほうが長い付き合いになります。中小企業庁が示す支援の流れでも、最後にモニタリング・フォローアップが置かれています。
- 正直に負担面も話してくれるか。良いことしか言わず「必ず通ります」と言い切る相手には注意が必要です。私は補助金の対象になるか微妙な案件では「100パーセントとは言えません」とはっきり申し上げたうえで、出してみないと分からない部分と、そのときに起きうる手戻りまで先にお伝えするようにしています。
地元の認定支援機関である利点は、地域の金融機関・商工会議所・商工会との距離が近く、面談や書類のやり取りをこまめに回せることです。融資と補助金をどう組み合わせるか(どちらを先に動かすか)まで含めて相談できる相手だと、資金繰り全体の設計がしやすくなります。
池田計画合同会社は、山梨県を拠点とする認定経営革新等支援機関です。代表の池田は、元銀行員として法人融資の審査に長く携わったのち、中小企業診断士として独立しました。補助金の制度選びから事業計画の作成、金融機関との交渉、事業承継や経営改善の計画づくりまで、審査する側の視点でご支援しています。まずは公的な検索システムでお近くの機関を確認いただいたうえで、「自社はどの制度が使えるのか」「認定支援機関に何を頼めるのか」という段階からのご相談でも構いません。これまでの支援実績やAI補助金診断・補助金支援サービス、財務・経営改善のご支援をご覧いただくか、初回無料の経営相談からお気軽にご連絡ください。
よくある質問
顧問税理士が認定支援機関でない場合、別の認定支援機関に頼んでもよいですか?
問題ありません。確認書や所見を出せるのは認定を受けた機関に限られるため、顧問税理士が認定を受けていない場合は、別の認定支援機関に依頼することになります。中小企業庁の調査では認定を受けた属性の46.2%が税理士ですが、すべての税理士が認定を受けているわけではありません。実務では、決算・税務は顧問税理士、計画策定と申請支援は認定支援機関、と役割を分けて進めることが多くあります。着手前に、どの資料を誰から取り寄せるかを両者で共有しておくとスムーズです。
相手の認定が有効かどうかは、どうやって確認できますか?
認定経営革新等支援機関検索システム(ninteishien.go.jp)で、都道府県から機関を検索して確認できます。認定には5年の有効期間があり、中小企業庁は有効期限日ごとの更新申請締切と更新認定日を公表しています。確認書や所見の提出が必要な制度では、提出の時点で相手が有効な認定を受けていることが前提になります。事業承継税制のように準備期間が長くなる案件では、着手前に有効期限日を確認しておくと安心です。なお金融機関はこの検索システムの掲載対象外のため、取引先の銀行・信用金庫については直接ご確認ください。
認定支援機関のID番号を申請画面で求められました。どこで分かりますか?
依頼している認定支援機関に直接ご確認いただくのが確実です。呼び方や桁数は制度ごとに異なる(認定支援機関ID、認定番号など)ため、申請する制度の公募要領・電子申請マニュアルで指定された番号がどれかを先に確かめてください。相手方の情報は認定経営革新等支援機関検索システムでも確認できます。番号の入力ミスは差し戻しの原因になりやすいので、申請直前に相手方へ書面かメールで照会し、記録を残しておくことをおすすめします。
取引銀行も認定支援機関ですが、銀行に頼むのと外部の専門家に頼むのは何が違いますか?
中小企業庁の令和7年度調査では、金融機関(銀行)の回答機関は75.8%が週1回以上支援業務を実施し、継続的なフォローアップの実施率は100%でした。活動量という点では手厚い一方、金融機関は自行の融資判断を行う立場でもあります。元銀行員として率直に申し上げると、融資と補助金の組み合わせ方や、他行を含めた借入全体の組み替えまで踏み込んだ相談は、取引銀行だけでは完結しにくい場面があります。どちらか一方に絞る必要はなく、取引銀行には資金調達の相談を、外部の認定支援機関には計画づくりと制度選びを、と分けて使うのが実務的です。
認定支援機関の支援を受けたこと自体が、補助金の審査で加点されますか?
加点項目として設定されている補助金は一般的ではありません。ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・中小企業新事業進出補助金では、そもそも認定支援機関の関与が任意です。一方、事業承継税制や先端設備等導入計画、経営力強化保証制度のように関与が必須の制度では、確認書や所見がなければ手続きが進まないため、加点ではなく要件になります。加点の有無は公募回ごとに変わることがあるため、申請する制度の公募要領で毎回ご確認ください。
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